こちらの記事はインターネットの基礎を学んだ方を対象としています。まだ読んでいない方は是非読んでみてください!
さて、みなさんOSI参照モデルについてある程度理解を深められたでしょうか?今回はOSI参照モデルのレイヤー4(第4階層)にあたるトランスポート層について詳しく説明させていただきます。
まずいきなりややこしいことを話しますがトランスポート層は2つ存在します。OSI参照モデルの第4階層とTCP/IP参照モデルの第3階層です。TCP/IP参照モデルは初出ですがOSI参照モデルをより実践的に具体的に定義したプロトコル群と解釈してもらって構いません。OSI参照モデルはあくまでもネットワークシステム全体に適応できるよう概念チックなとこるがあるのです。
今回はより実践的なTCP/IP参照モデル第3階層としてのトランスポート層についてお話します。
トランスポート層
上位のアプリケーション層からのサービス要求に応じ、また下位のインターネット層に対してサービス要求を行う。
引用:「トランスポート層」(2020年8月15日 (土) 11:44 )『ウィキペディア日本語版』。
つまるところトランスポート層とはデータが送られてきたとき、コンピュータ内で起動しているメールアプリにデータを送信するのかはたまたブラウザにデータを送信するのかなど、どのアプリケーションにデータを送受信させるのか決定するところなのです。
トランスポート層の大まかな働きは理解できましたか?今度は具体的なトランスポート層のプロトコル(約束事)を見ていきたいと思います。この階層には2つのプロトコルがあります。TCP/IPの名前にもなっているTCPとUDPです。それぞれ詳しく見てみましょう!
Transmission Control Protocolの略称です。データ受信時インターネット層(TCP/IP参照モデル第2階層)から送られてきたデータを順序制御、再送制御、フロー制御、輻輳制御といった通信の確実性を高める処理を用いて確実にアプリケーション層(第4階層)に届けるプロトコルです。様々な処理を行うので少し時間がかかってしまう問題点はありますが確実に相手に届けることができるためほとんどのサイトではTCPが標準プロトコルとして使われています。
User Datagram Protocolの略称です。UDPはプロトコルといってもほぼ何もしません。つまりデータ受信時は第4階層から第2階層にほとんどなにもせずデータを受け渡すことになります。これによりリアルタイムに通信を行うことが可能になりましたが、アプリケーションが送信したデータの順番や長さなどが変わってしまう可能性があり不安定な通信となってしまう問題点があります。この性質上UDPはブロードキャストやマルチキャスト通信で使われ、データが欠損してもあまり問題としない動画配信サイト(Youtube等)はUDPを使って通信を行うことが多いです。
トランスポート層にはTCPやUDP以外にもポート番号というものが存在します。TCPとUDPそしてポート番号と呼ばれる数字をうまく利用して、どのアプリケーションがデータをやり取りしようとしているのか特定するのです。
トランスポート層はTCPとUDPの2つしか大きなプロトコルは存在しないので他の層よりは覚えやすくわかりやすいと思います。ぜひ覚えてネットワークに関して理解を深めてもらえると幸いです。
ここまで読んでいただきありがとうございました!
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