みなさん、「冠婚葬祭(かんこんそうさい)」という四字熟語を見たこと聞いたことはありますか?
「冠婚葬祭」
この4文字はそれぞれ行事を表しています。
「婚」は結婚式。「葬」は葬式。
じゃあ「冠」は??
「祭」を結婚や葬式などの祭事とぼんやり思っていた人もいるかもしれません。
この冠婚葬祭という漢字はそれぞれ日本古来の重要な4つの儀式を表します。
「元服(げんぷく)」「婚礼」「葬式」「先祖祭祀(せんぞさいし)」
の4つです。
詳しく見ていきましょう。
「冠」の意味である元服は今でいう成人式を意味します。
元服
奈良時代以降、男子が成人になったことを示す儀式。ふつう、11~16歳の間に行われ、髪を結い、服を改め、堂上家以上は冠、地下(じげ)では冠の代わりに烏帽子(えぼし)を着用した。中世以降は混同されて烏帽子を用いても加冠といい、近世には烏帽子も省略されて月代(さかやき)をそるだけで済ませた。(goo辞書)
堂上:身分の高い人
地毛:身分の低い人
月代:冠や烏帽子をかぶったときに髪の生え際が見えないよう額ぎわを半月状に剃り上げたもの
上に書いてあるとおり、昔は成人の印として冠を被りました。
そこから冠の字が元服の意味を表すようになりました。
みなさんご存知、冒頭にも書いた通り「婚」は結婚式を表します。
結婚式の他にも、結婚に関わる儀式(縁談や結納、披露宴など)も含むともされています。
こちらもみなさんご存知、冒頭にも書いた通り「葬」は葬式を意味します。
葬式
死者をほうむる儀式。葬儀。葬礼。とむらい。(goo辞書)
冠婚葬祭のラスト。「祭」の字は先祖祭祀を意味します。
先祖の霊を祀(まつ)る行事全般を指します。
祀る
儀式をととのえて神霊をなぐさめ、また、祈願する。(Weblio国語辞典)
例を挙げると法事やお盆などがあります。
他の行事と比べると礼服を着用したり、宗教によって決められた祀られ方があったりと儀式としての側面がいまだに強く残っています。
祖先を祀ることで一族の絆を深めて繁栄を目指すという目的があります。
「正月とお盆は実家に帰る」という人もいるのではないでしょうか。
身近な人が亡くなった時も仕事をお休みして帰ることが認められています。
この冠婚葬祭という言葉。
気付いた方もいるかもしれません。
人のライフステージにおいて起きる順番に並んでいるんです。
成長して大人として認められ、結婚し、亡くなった時には葬式をして、その後は子孫によって祀られる。。。
もともと儒教という宗教に由来します。
韓国や中国などにも同様のものがあり、冠婚喪祭(クァンホンサンチェ)(guān hūn sàng jì)と呼ばれています。
今回は「冠婚葬祭」という言葉についての解説でした。
このように聞いたおこはあるけどちゃんと全部の意味を知らない!という言葉は他にもたくさんあるかもしれません。
最近では冠婚葬祭の文化も薄れてきていますが、参加する際にはそれぞれに応じたマナーを知っておく必要があるため確認しておきたいですね。
以上!
冠婚葬祭の「冠」ってなに?でした。
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