今回は私が作ったモーターを使って飛ぶタケコプターを紹介します。
作り方は説明せず、どのようなものを作ったのかを紹介するコーナーです。
作っているときに発見したことや何を意識して作ったかも含めて気軽にご覧ください!
実際に飛ばした映像はこちら↓
今回はただのDCモーターと電池3Vを使います。
電池は3V以上のものは使いません。高電圧だとモーターが焼き切れてしまうのと、単純に電圧が高ければ高いほどモーターが早く回って高く飛ぶに決まっているからです。
他の材料はなんでも大丈夫という条件で作りました。
将来自分の子供ができて、その子が「タケコプターが欲しい!」といった時にプレゼントであげれるというテーマで作りました。
完成図をご覧ください!
これはどうみてもプレゼントにしか見えませんね!少し箱の上からツノが出ていますが笑
作りも頑丈にして多少どこかにぶつけても凹まないよう設計しました。
最初は輪ゴムを使って飛ばしたら面白いだろうなぁと思い、いろいろ試したのですが、モーターで輪ゴムを巻いてエネルギーを蓄える機構が難しくなかなか飛ばなかったので違う方法を考えました。
最終的に考えた機構はごくごく簡単なものです。モーターにギアを取り付けてギアを一枚挟んで金属棒を回します。その金属棒に羽を取り付けることで羽の揚力だけで飛ぶという仕組みです。
軸とは羽に接続するための部分です。
最初は1本の金属棒でやろうとしたのですが、穴に棒をさしているだけなのでなかなかうまく回転の力が羽に伝わりません。
羽に力を伝えるには少なくとも2本ないとダメだと思い、ハンダを駆使して下のような軸を作ってみました。
また、回転を長く伝えるために2本の軸はできるだけ長く作りました。
まずギアを挟むことでトルクをとるか回転数をとるかどちらかいいのかやってみました。
トルクと回転数
トルクとは回転する力のことです。トルクが大きいほど重たいものを回すことができます。もっと簡単な言葉にすると馬力が大きいとも言えます。
回転数は言葉の通りどれだけ速く回るかということです。
トルクと回転数はギアを挟むことで変えることができます。しかし、トルクを2倍にすると回転数は1/2となり、一方を強化すると片方が弱くなる性質を持っています。
試行1では回転数をあげてみることにしました。
回転数をあげるのでトルクがその分下がります。
羽をつけてやってみると、、、羽が重すぎるせいなのか全く速く回転しません。なんなら遅くなっているくらいです。
今度は羽を軽くするために紙にちかい素材で羽を作りました。そうするとなんと羽が回転に負けてクネクネになってしまうではないですか。
回転数をあげるのはよくないことがわかりました。
次はトルクをあげてみます。下のように小さいギアをモーターに繋ぎ、大きいギア(緑)を軸に繋ぎます。
回転数はその分下がるのでギアがないときより速く回転しません。
回転数は劣りますが回転の力があるので50cmくらい飛びました。厚紙の羽を使っているのでだいぶ重たいはずですが軽々と振り回していました。
飛ぶことが確認できたのでひとまず安心。
先ほどまではネットで検索して出てきた羽の設計図を使って作ったもので飛ばしていました。こちらのような羽↓
目標は2m飛ばすことなので、羽を改善しなくてはなりません。
参考にしたモデルはやはり竹トンボ!!竹トンボは昔から遊ばれてきただけあってとても精密に設計されています。これを参考に厚紙で作ってみました。
この羽に変えるとなんと1.2mくらい飛びました。さすが竹トンボです。
2mまで後80cmあります。あとは、大きさや色々変えてどうやったら飛ぶか研究してみました。
これは慣性モーメントをあげるためです。大学の力学を受けるとわかるのですが、トルクTと慣性モーメントは比例の関係にあります。
羽の先端を少し重くすると、その分回転の力が大きくなりたくさん飛ぶだろうという算段です。重すぎると今度は逆に飛ばなくなってしまうので丁度いい重さにしなくてはなりませんね。
私は羽の先端にガムテープを貼ってみました。↓
なんとなんとこれを貼るだけで私の身長(178cm)より飛ぶではありませんか!!!これは成功です。
ちょっと欲張ってガムテープをもう一重貼ってみたところ、やはり重すぎて全然飛びませんでした(;_;)
最後に工夫できる点として羽の大きさですね。
トルクをあげているので大きい羽でも試すことができます。大きい羽と小さい羽でどちらがよく飛ぶのかなど色々試してみました。
まずは小さいバージョン↓
軽いのでよく飛ぶかと思ったのですが、安定性が悪くバランスを崩してしまいました。一番高くて140cmが限界です。
次に中間くらいの大きさ↓
丁度いい感じ!安定して私の身長を超え、運がよければ2mくらい飛びます。羽が大きいほどよく飛ぶのではと思い、もっと大きいのを作っちゃいました。
欲張りました(;_;) 重すぎて私の身長よりも飛びません。大きければ良いというわけではなさそうです。
羽は中間の大きさのものを採用します。
家にあったお洒落な箱にしっかり固定できるよう、木材を切って電池やモーターをネジでしっかり固定して完成です!
最後にプレゼント用の袋に入れれば、完全にプレゼントに見えますね!
最終的に最高到達点は2mまで行きました。^^
3m飛ばすためにどこを改善したらよかったのかを後から考えてみたのでご覧ください。
羽にしっかり力を伝えるために軸を2本にしたのですが、2本の間隔を狭くすればもっと飛ぶのではないかと思いました。
フィギュアスケートのスピンと同じ原理なのですが、手を広げると回転のスピードは落ちます。逆に手を体に寄せればスピードが上がるので、この2本をもう少し狭めてどれくらい飛ぶか今度実験してみようと思います。
今回は持っているギアがあまりなかったので、トルクを上げようとするとだいぶ回転数が落ちてしまいました。
今度やるときはもう少しギア比が大きくないもので試して、羽の重さとトルクのちょうど良い関係を試せたらなと思っています!
さて、今回は私が作ったモータータケコプターの紹介でした。
この制作をする上で、羽の形状やギアのことなど実際にやって発見することも多くとても勉強になりました。
一番驚いたのは、ギアで回転数をあげたとき本当に羽すら回せなくなるくらいトルクが落ちたのでワーオと声が出てしまいました。(^^;)
皆さんも夏休みなどで自由研究の題材が決まっていなかったら、ぜひこのタケコプターに挑戦してみてね!!
面白い!まるで自分が作ったかのようなストーリー性があって最後まで楽しく読めました!