2022年度より小学校の高学年に「教科担任制」が導入されることとなりました。
既に中学校では導入されている教科担任制。
その制度の詳細やその目的、今後の見通しなどについて説明していきます!
「教科担任制」
教師が1~3の専門教科を担任し,いくつかの学級においてその教科を教授する方式。日本では伝統的に中学校以上はこの方式がとられている。(ブリタニカ国際大百科事典より)
現在小学校で主に採用されているのは「学級担任制」です。
これは担任の先生が自分のクラスのほぼ全ての教科を担当します。
「小学校の先生って国語算数理科社会、全部教えないといけないなんて大変だな〜」
と思ったことがある人は多いはずです。
今回この教科担任制が導入されるのは高学年のみです。
なぜこの動きが出てきたのか解説していきます!
小学校6年と中学校3年の計9年間の義務教育。
小学校ではほとんど全ての教科を担任の先生が教えてくれるのに、中学校になった途端 教科によって先生が変わる。
急に多くの先生と関わることに慣れない子どもは少なくないようです。
そのため小学校高学年のうちに慣れておこうというものです。
「GIGAスクール構想」
Global and Innovation Gateway for Allの略。
児童生徒に1人1台の端末と高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備し、全ての子どもが個別最適化された創造性を育む教育を、学校現場で持続的に実現させる構想のこと。
タブレットの導入についてはこちらの記事に書かれています。
タブレットが導入されると科目によっては教科書とノートを使う従来の教育方法からガラッと変わることが予想されます。
そこで、国語算数理科社会、さらには英語、今後はプログラミングについても教えなければなりません。
教育の仕方が大きく変わるのに自分の専門分野や得意科目ではない教科を的確に子どもたちに教えなければならないというのは先生によっては非常に大きな負担です。
多くの教師が生徒と関わるのはデメリットではないか?と思う方もいるかもしれません。
しかし、現状担任の先生とうまくやっていけない子どもがいたり、担任の先生が子どもたちのトラブルに気がつけないということがあります。子どもにとって、相談できる先生が増えることは保護者にとってありがたい話なのではないでしょうか。
先ほども書いたとおり、この教科担任制は教師の負担を軽減します。
さらに、主に自分の専門分野、得意科目を担当することから子どもたちに自信を持って教えることができます。
それだけでなく、この制度の導入によって担当授業数が減ることから教師が授業準備に当てる時間が増えることも授業の質の向上につながります。また、複数のクラスで同じ先生が同じ授業をすることからクラス間の教育の差をなくすことも期待されています。
今までであれば「国語が早く進みすぎているから遅れている算数を次の国語の時間にやります。」ということができました。それだけでなく宿題の調整も今までであれば担任の先生が全て管理していたので子どもたちの負担を考えることが容易でしたが、複数の先生が担当することによってそれが難しくなります。
いくら少子化が進んでいるとはいえ教師の不足は問題として挙げられます。
さらに、タブレット端末の導入に適応できることが求められたり、負担の大きい職業となっていきます。
「ブラック」と言われることもあるこの教師という仕事。人員不足は今後深刻になっていくかもしれません。
「教科担任制」とはいえ、はじめは外国語、理科、算数の3つが優先して導入が進み、それ以外の科目についてはあまり現状言及されていません。
この教科担任制の導入にはその科目の教員免許を持っていることを必須条件とするかなどといった問題があります。
さらに、「中学に向けて準備をするため」と書きましたが、専門性をもった人材確保のために中学校と連携をして効果的な指導ができるようにするべきではないか、という話もあります。
2022年度から導入される教科担任制。
いまだに明確になっていないところはありますが、親としては子どもの教育に関わる事は知っておきたいところですよね。
先ほど紹介しましたGIGAスクール構想、タブレットの導入。
他にも2020年度からプログラミング教育が必修化となりました。
ITの発展の波は小学校教育にまで大きな影響を与えています。
このような情報を早くから入手できるかどうか、事前に対応できるかどうかはお子さんの今後の人生を大きく左右することでしょう。
Hoicosのブログではこのような小学校教育にまつわる話題も取り上げていきますので今後もご愛読、よろしくお願いします(^^)
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